個人情報不正利用と優良誤認広告の疑いについて 

最近ITmediaのサービスがおかしくなっている気がする

広告メールがなければリードジェンは成り立たない

 ITmedia決算資料によれば、リードジェン事業の売り上げは、2018年度の場合、総売り上げ49億のうち19億6800万にのぼる。自分が知っていた頃は6~8億円規模だったので、10億円もアップしていたことに正直驚いた。キーマンズネットを買収したことによるものだ。記事によれば、2020年度には30億円を目指している。

 「リードジェン」=「リードジェネレーション」は直訳すれば「見込み客の生成」。見込み客リストの販売ビジネスだ。①自前で読者会員制度とDBを作る。②見込み客リストが欲しい顧客の多様な要求(属性)にマッチする読者を、自前のDBの中から絞り込む。③そのDBに登録された読者自らが、顧客に対して個人情報を提供するまで、Webサイトの中を誘導していく。

 読者からしてみれば、自分たちの個人情報を第三者提供すると

1.PDF資料のダウンロードが
2.イベントに参加
3.動画やタイアップ記事の購読が

できるメリットがある(その後で顧客からの売り込みがあるが)。

 単純合算で60万人の会員から選ばれた読者は、どのようにして、PDF資料のあるページ、イベント参加ページ、動画・タイアップ記事ページの前までたどり着くのだろうか。

 広告主は、ある金額の予算で、特定属性の会員リスト100名分が欲しい、という希望をITmedia社に伝える。ITmedia社は属性収集にふさわしい手法(従来型の広告商材)を考え、広告主に提案。共に検討、手法を決定後それを実施しリストを収集する。

 ところで、ITmedia社の各メディアのPVを見れば、TechTargetとキーマンズネットの規模は大体見当がつく。同社のPVは月間総合約3億。そのうちねとらぼが約2.4億。媒体資料に載っているメディアのPVをそこからマイナスすると……おそらく数十万規模と推測される。決して大きなWebではない。

 となると、Webからの誘導よりもメールでの誘導のほうが効果的なことは容易に想像がつく。

 関心分野を細分化し、それに閲覧履歴、訪問頻度などのパラメータをかけ合わせ、見込み客リスト候補を作り、そこに広告メールを送信する。それがターゲティングメールと呼ばれる広告メールだ。

 TechTarget/キーマンズネットでは、このターゲティングメールがリードジェネレーションに力を発揮しているのはであることも想像がつく。

 TechTargetとキーマンズネットの共同名義で送られてくるターゲティングメールをみてみよう。全く届かない日もあれば、1日に何通も届く日もある。上にも書いたように顧客からの要求に対するリードジェネレーションが終われば誘導はパタリと止まる。

 

TechTargetジャパン/キーマンズネット編集部 <ttkn-tgmail@noreply.itmedia.jp>
2019/09/30 (月) 12:10
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◆TechTargetジャパン/キーマンズネット Information
                          2019/09/30
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と、送り元が「TechTargetジャパン/キーマンズネット Information」となっていること。メールのフッタ付近に「PR」があり、広告メールであることが分かることだ。

 さて、TechTargetの利用目的には「広告メール配信」があるが、キーマンズネットの利用目的にはそれはなかった。したがって、「利用目的を変更したときは通知又は公表しなければならない」という個人情報保護法18条に違反している可能性がある。

 また、配信停止については

■配信停止
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 が案内されており、例の「当社からのお知らせメール配信同意」=「広告メール配信同意」に基づいていることが分かる。

 

「お知らせメール」が「広告メール」であると認識するのが困難であることは以前のエントリーで説明した、また、実質的なオプトアウト方式であり、特定商取引法第十二条3,4違反の可能性がある。

販売業者又は役務提供事業者は、次に掲げる場合を除き、通信販売をする場合の商品若しくは特定権利の販売条件又は役務の提供条件について、その相手方となる者の承諾を得ないで電子メール広告(当該広告に係る通信文その他の情報を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて主務省令で定めるものをいう。以下同じ。)により送信し、これを当該広告の相手方の使用に係る電子計算機の映像面に表示されるようにする方法により行う広告をいう。以下同じ。)をしてはならない。


 以上、ここでは「可能性」と書いた。だが「違反」であったら、このターゲティングメールは配信することはできなくなる、あるいは改めて同意を取る必要があるのではないか。

 

「2020年度に30億円」。期待している人は少なくないだろう。